4速とか5速の草鞋

COJとかテキトーに気ままに書いてます

アレス「最近肩身が狭い気がするんすよ…」

~居酒屋『むっく』~

 

ベルゼ「は?」

 

アレス「そんな怖い顔しないでくださいよ~兄貴ィ」

 

ベルゼ「顔が怖いのは元からじゃい」

 

ベルゼ「そんなことより、お前それマジで言ってんの?」

 

アレス「だってそうじゃないすか…」

 

アレス「戦闘に参加できなくするだけってのはやっぱり難しいっすよ」

 

アレス「守れなくても殴れるんじゃねーか!ってツッコミは」

 

アレス「デビューした時からずっと言われてることですし」

 

アレス「進化だから業にも引っかかりますし…」

 

アレス「引っかかったら内蔵ブロウだって使えないんすよ?」

 

ベルゼ「でもOCしたら1点取れるじゃないか」

 

ベルゼ「OCして場に出れば業にかかっても問題ないぞ」

 

アレス「そう、そこなんすよ!」バンッ

 

ベルゼ「!?」

 

アレス「兄貴は1枚でも絶大な破壊力があるけど」

 

アレス「俺が同じだけの働きをしようと思ったら手札で3枚重ねるか」

 

アレス「殴れるユニットを他に置いといて必殺するために1枚挿すかの2択で」

 

アレス「だけど3枚積むとデッキを圧迫するし…枠余ったら1枚でいいかな、みたいな」

 

アレス「そんな感じなんすよ!?」

 

ベルゼ「お、おう…」ヒキッ

 

アレス「だってOCしたら1点って、そもそも相手のユニットを防御禁止で」

 

アレス「棒立ちにしてるんだからBP勝負でレベルアップもクソも無いじゃないっすか」

 

アレス「しかも種族が悪魔だから、マコさんが兄貴を引っ張って来る」

 

アレス「邪魔になる可能性だってあるから余計に申し訳ないし…」ハァ

 

ベルゼ(気負いすぎだろコイツ…)

 

アレス「しかもこれだけじゃなくて、まだまだありますよ…」チラッ 

 

シヴァ「う?」ムシャムシャ

 

ベルゼ「あっ…(察し)」

 

アレス「そこの可愛い顔して兄貴以上にドッカンドッカンぶっ壊す後輩!!!」

 

アレス「『全部あたしが終わらせるっ!』って本当にその通りだよ!!!」

 

アレス「初めてできた後輩が、自分より圧倒的に有能とか!!!」

 

アレス「居場所のなさMAXっすよ! アルカナは俺に死ねと囁いているんすか!?」

 

アレス「なんなのさもぉおおおおおおおおおん!!!11」

 

ベルゼ「まあまあ落ち着けって…」

 

アレス「酒ッ! 飲まずにはいられない!」ゴクゴク

 

アレス「うわあああああああああああああああああん」ダバー

 

ベルゼ(こいつめんどくせぇな)

 

アレス「もーぉ…らめたくなりまひゅよ…」

 

ベルゼ(しかも酩酊して半分寝かけてるし!)

 

シヴァ「ねーねーおにーさん」チョイチョイ

 

ベルゼ「ん?」

 

シヴァ「先輩とおにーさん、さっきから何の話してたんですか?」

 

ベルゼ(あんだけ騒いでたのに…喰うのに夢中で聞こえてなかったのか?)

 

ベルゼ「なんて言うかな…アレスのこれからの進路相談的な…」

 

シヴァ「えっ!? 先輩どこか(他色)に行っちゃうんですか?」

 

ベルゼ「うーん…もしかしたら(補欠ベンチに行き)そうかも」

 

シヴァ「そんな…」シュン

 

ベルゼ「?」

 

シヴァ「おにーさん、どうにかならないんですか?」

 

ベルゼ「こればっかりはなぁ。僕の力じゃどうにも…」

 

シヴァ「そんなぁ」

 

ベルゼ「…シヴァちゃん、そんなにアレスがいなくなるの嫌なの?」

 

シヴァ「とーぜんです! だってあたし、先輩のこと好きですもん!」

 

ベルゼ「!??!?!?!?!?!?!?!?」

 

ベルゼ(ヘアッ!? ま、マジで?)

 

シヴァ「だって先輩は、おにーさんや(マーヤ)おねーさんと違って…」

 

ベルゼ「……」ゴクリ

 

シヴァ「あたしが壊すものちゃんと残しておいてくれるんですから!」ニパー

 

ベルゼ「」ズコー

 

ベルゼ「あぁ、うん。そんな気はシテタヨHAHAHA」

 

シヴァ「???」

 

ベルゼ(彼女の中でのアレスの地位は、壊すものをジャンジャン作ってくれる)

 

ベルゼ(ブラフマー翁と同じくらいってことなのか。なるほどね)

 

ベルゼ(フフフ…アレスの奴め、肩身が狭いとか愚痴を言いつつも)

 

ベルゼ(この娘に慕われてて、何だかんだ居場所はちゃんとあるんじゃないか)

 

シヴァ「それに先輩ってば情熱的なんですよ…」ウットリ

 

シヴァ「ついこの間だって、急にあたしを上から組み敷いて…きゃー♪」

 

ベルゼ「それ君を進化の土台にしただけだよね? そうなんだよね!?」

 

マーヤ「む。お前たち、酒宴か?」

 

シヴァ「あ、おねーさん!」

 

ベルゼ「やあ。実はカクカクしかじかで」

 

マーヤ「まるまるウマウマと言ったところか」

 

マーヤ「ほぉ…全く、坊やにしては贅沢な悩みよの」

 

ベルゼ「やっぱりマーヤもそう思うかい?」

 

マーヤ「うむ。そもそも坊やの立場がないと言うなれば」

 

マーヤ「ベリアルの奴はどうなるというのじゃ」

 

マーヤ「次から次に自身よりも秀でた者たちが出てきておるぞ」

 

ベルゼ「まあ…ベリアルのおじさんは他人を殴れるような人じゃないし」

 

ベルゼ「未だに前線に引っ張られてる同期の方々のことを考えたら」

 

ベルゼ「寧ろ早々に引退できてほっとしてるんじゃないかな」

 

シヴァ「おじさんって、おにーさんと同じくらい怖い見た目のあの?」

 

ベルゼ「そうそう」

 

シヴァ「へぇ…いがーい」

 

マーヤ「あやつは山に籠って滅多に出てこんしの。シヴァが知らずとも無理はない」

 

マーヤ「しかし坊やは自分にも役割があるということは自覚してもらいたいものじゃ」

 

マーヤ「特に最近、妙な能力を持った者共が増えてきておるのだからな…」

 

シヴァ「!」

 

ベルゼ「成程、秩序の盾だね」

 

マーヤ「妾の力であれば影響はないが、お主やシヴァはそうもいかぬのであろう?」

 

ベルゼ「うん。ま、僕はもう慣れっこだけどね」トオイメ

 

シヴァ「あたしは嫌いです…一生懸命やってるのにっ、全然、壊れなくて…」ウルウル

 

ベルゼ「……」ヨシヨシ

 

マーヤ「お主らが動けぬ、その時にこそ坊やが力を発揮できるのじゃ」

 

マーヤ「元より我らが力を合わせれば勝てぬ敵など存在せぬ」

 

マーヤ「そのことに坊や自身が気付ければ良いがの…」

 

ベルゼ「教えてあげたりはしないんだ?」

 

マーヤ「それは兄貴分であるお主の役割よ。妾はこう見えて忙しいのでな」

 

マーヤ「ではまた、戦場で見えようぞ」

 

ベルゼ「……」

 

シヴァ「…おねーさんって椅子から絶対降りなんですね」

 

ベルゼ「言われてみれば僕も降りたところは見たことないや」

 

ベルゼ「……」

 

シヴァ「……」

 

アレス「(安らかに眠っている)」

 

ベルゼ「じゃあ、僕らもそろそろ帰ろうか」

 

シヴァ「そうですね」

 

ベルゼ「僕はこのどうしようもない弟分を運ぶから、お会計頼むね」つ財布

 

シヴァ「はい!」

 

 

シヴァ「すみませーん! お会計お願いします!」

 

むっく「はいはい。赤SR御一行様ですねー。毎度ご利用ありがとうございます」

 

むっく「お会計33400MPになります~」

 

シヴァ「はーい」

 

 

ベルゼ「…やれやれ、アレスよ」

 

ベルゼ「可愛い後輩がアレだけしっかりしてるんだから」

 

ベルゼ「ベリアルおじさんの分まで君も、愚痴ってないで頑張れよ?」

 

アレス「フゴッ…ムニャムニャ…」

 

 

おしまい